先日新幹線で実家に帰ってきました。
目的は91歳の祖父に最後に会うため。
人間ってたくさんの役割があるんだなと、改めて気付きました。
孫として
つい１か月前まで祖父は自分でトイレや入浴、軽い掃除もしたり、自分で布団を敷いたり、病院に行ったりしていました。
倒れた後は早いですね、仕方がないです、この年齢ですから。
いつどうなってもおかしくない状況ということもあり、間に合うか心配でしたが、苦しむ様子もなく入院先のベッドに寝ておりました。
もうあっという間に認知症も進み、恐らく私のことも理解できていないでしょう。
それでも会えて、触れられて、次の日が祖父と祖母の結婚記念日ということもあり、準備しておいたツーショット写真を入れた写真立てもプレゼントできてよかったです。
完全に自己満足ですが、これで良かったと思っています。
そんな祖父も父であり、夫であったのですが、倒れて気付くのは近所で大変感謝されているお爺さんだったこと。
あんなに毎日喧嘩していた母も、祖父が倒れて祖父のありがたみに気付いたと、ご近所さんからたくさんの感謝の気持ちとお見舞いを言われて心から祖父の大きな存在に気付いたと言っていました。
さて、実家には実母と祖母が住んでおります。祖母も今や病気でまともに食事を食べられない中でも祖父と同じようにトイレもしっかり自分で行きますし、歩くこともできます。
耳はほとんど聞こえていなくても認知症もない。
こんな祖母もいつ終わりが来るかわからない。もしかすると祖父より先かもしれない。
寂しいけれど最後は高齢なので苦しみだけは軽くしてあげたい、それだけです。十分長生きしてくれましたよ。
私たちの親がわりをしてくれて、大きな病気や手術もすることなく、二人ともしっかりと生きてくれました。
感謝です。
主婦として
こんな状況の実家に帰った時くらいはできることをしておきたい。
母や祖母を普段行きたくてもいけない場所に連れて行ったり（2人の体力がなくていけませんでした）、冷凍保存できる食事を作っておいたり、重たいものを片付けたり、不用品をまとめて捨てたり、実家の家計を見直したり。
母は60代ですが体も心の調子も全く芳しくない。私が中学生の頃からずっと。
別に苦しみながら生きる必要もないとは思うのですが、かといって簡単に今は死ぬことさえできない。
もうね、側から見ても色々ありすぎて疲れ切っている人生ですよ。自分でやってきた結果ですけれども。普通に生きることが難しい人なんでしょう。
その人生を終えたい、と希望するならば本心からその希望を叶えてあげたいと思う。
でも今は生きていくしか術はない。
何が正しいのか分かりませんね。
娘として
娘として生まれて、早く大人にならなければいけない子供時代を経て、結婚し、大人になった気でいたけれど、まだまだ自分は子供だったなと気付かされ、自分の子供を持って「母」というものを本当の意味で知りました。私の母と母の母と。
自分の役割がどんどん変わっていく中で、実家ではいつも私は保護者であった気がします。
純粋に母の娘であったのはいつ頃までだろうか。
明日が楽しみだ、とワクワクして眠りについた最後はいつだっただろうか。
そんな風に感じるからこそ、自分の子供たちにはギリギリまで大人の世界を見せたくないと思ってしまう。これも正しいかどうかは分かりません。
もしかしたら、何も知らない子供達は大人になって色々とギャップや理不尽なことにショックを受けてしまうかもしれない。
それでも案外敏感に大人の世界を感じ取り、自分で悩み考えるのも子供だと知っていますが。
母として
私は、自分の子供には子供の時にしかできないあのワクワクキラキラする感覚をできるだけ長く持っていて欲しいと思っています。
自分の世界で心も頭もいっぱいなのに、余計な大人の世界で子供らしさを奪いたくない。
純粋な世界で、思う存分純粋を身体中に満たして欲しい。
そう願ってやみません。
大人として
結婚し、夫のおかげで倫理や思考、相手や自分、社会や親戚、そういうもの全てをうまく扱うことは到底無理だと理解しました。
やはり私は子供でしたよ。きっと夫も。
それでも夫のおかげで忘れていたワクワクを取り戻した日々を今は送れています。
色んなことを夫婦で考え経験しながら積み重ねていく年月はきっと子供時代の自分に誇れるものになるんじゃないかな、と思ってもいます。
結構私も大人になったよって言える気がします笑（まだまだかな😅）
大人になった今だからこそ、できることだけを淡々と、全てのことに優先順位を付けながら、自分を壊す事なく、子供を守り、夫と歩む。
子供に迷惑をかける事なく、そうやって最後まで自分の人生をまっとうできたら、何者でもない自分も上手くやってきたな、と認められる気がします。
ここ数日でたくさんの役割を一気にこなしてちょっとセンチメンタルになってしまいましたが、これでリセット。
毎日、ほんの少しでもワクワクする日々を過ごしていきたいですね☺️
この記事が面白いと思ってくださった方は押していただけますと励みになります！よろしくお願いいたします☺️
最後までお読みいただきありがとうございました！
